これから賃貸物件を探すとき、追い焚き給湯という設備を耳にする機会が増えていますが、実際にどんな機能なのか、ランニングコストや使い勝手までイメージできている方はそれほど多くありません。
しかし、お風呂の入り方や家族の生活リズムによっては、追い焚きの有無が暮らしやすさに大きく影響することがあります。
この記事では、追い焚き給湯とは何かという基礎から、メリット・デメリット、具体的な使い方や注意点、賃貸物件選びのチェックポイントまでを分かりやすく解説します。
これから賃貸物件を探し始める方が、後悔のない部屋選びをするための参考にしてください。
賃貸物件の追い焚き給湯とは何かを基礎解説
賃貸物件でいう「追い焚き給湯」とは、浴槽にためたお湯を一度捨てずに、同じお湯を温め直して入浴できる給湯器の機能を指します。
具体的には、浴槽内のお湯を配管を通じて給湯器に循環させ、内部の熱交換器で加熱してから再び浴槽へ戻す仕組みです。
経済産業省の給湯省エネ2026事業でも、給湯器の性能区分のひとつとして追い焚き機能の有無が示されており、設備選びの判断材料となっています。
湯張りし直しよりも水の無駄が少なく、同じお湯を繰り返し快適な温度で使える点が特徴です。
追い焚き給湯の仕組みは、大きく分けて「浴槽の湯を循環させて沸かし直す方式」と、「タンク内の高温水と熱交換して温める方式」があります。
いずれも浴槽内のお湯を直接高温にし続けるのではなく、給湯器側で加熱して戻すため、一定の温度を保ちながら入浴しやすい構造です。
また、給湯器によっては自動保温機能が備わり、設定時間内は自動的に追い焚きを繰り返してお湯の温度低下を抑えるものもあります。
このような仕組みを理解しておくと、賃貸物件の設備説明を受ける際にもイメージしやすくなります。
追い焚き機能付き給湯器は、浴槽のお湯を循環させて再加熱できる点が、追い焚き機能なしの給湯器との大きな違いです。
追い焚き機能がない場合は、お湯を温め直したいときに新たに高温のお湯を足していく必要があり、その分だけ湯量が増えます。
一方、追い焚き機能付きであれば湯量をあまり増やさずに温度だけを上げやすく、光熱費や水道代の管理をしやすいという利点があります。
ただし、機種ごとに細かな仕様が異なるため、入居時には取扱説明書で追い焚きボタンや自動運転の有無を確認しておくと安心です。
| 設備表示 | おおまかな意味 | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| 追い焚き | 浴槽のお湯を再加熱 | 浴槽循環口の有無 |
| 追い焚き給湯 | 給湯と追い焚き一体 | 自動保温の有無 |
| 高効率給湯器 | 省エネ性能の高い機種 | 追い焚き機能の有無 |
賃貸物件の募集図面や設備一覧では、「追い焚き」や「追い焚き給湯」といった表記で機能の有無が示されていることが多いです。
あわせて、高効率給湯器など給湯省エネ2026事業の対象となる機種かどうかを確認できる場合もあり、省エネ性と追い焚き機能の両方をチェックしやすくなっています。
入居前の内見では、浴槽の側面に循環口があるか、操作パネルに追い焚きや保温に関するボタンがあるかを確認すると、実際の使い勝手をイメージしやすくなります。
このように設備表示と実際の機能を照らし合わせながら見ることで、自分の生活スタイルに合った賃貸物件かどうかを判断しやすくなります。
これから賃貸物件を探す人にとってのメリット・デメリット
まず、追い焚き給湯の大きなメリットは、入浴時間がずれても同じ湯船を気持ちよく共有できる点です。
家族の帰宅時間が夜遅くに分かれる世帯では、冷めたお湯を一度抜かずに温め直せるため、お湯張りの回数を減らしやすくなります。
さらに、浴槽の湯量をそのまま活用できるので、シャワー主体よりも身体をしっかり温めたい人にとっても使い勝手が良い設備です。
このように、生活リズムが合いにくい家族でも、追い焚き機能があることで入浴の自由度が高まりやすくなります。
一方で、追い焚き給湯は便利な分だけ、ガス代や電気代への影響を考えて使い方を工夫することが大切です。
一般社団法人プロパンガス料金適正化協会の試算では、追い焚き1回のガス代は都市ガスで概ね15〜30円、プロパンガスで35〜60円が目安とされています。
一度お湯を抜いて新たにお湯張りをすると、水道代とガス代の両方がかかるため、湯量や湯温によっては追い焚きの方がトータルの負担を抑えられる場合があります。
ただし、長時間の保温運転や短時間に何度も追い焚きを行うと、合計の光熱費がかさみやすいため、家族の入浴順や時間をある程度そろえる工夫も重要になります。
また、追い焚き給湯は浴槽内の湯を配管を通して給湯器に循環させ、再び浴槽に戻す仕組みのため、給湯器や配管への負担やお手入れにも注意が必要です。
前述の協会によると、追い焚き機能は浴槽の湯を戻してバーナーで加熱する循環方式であり、汚れや入浴剤の成分が配管内部に残ると機器の寿命や効率に影響するおそれがあります。
さらに、経済産業省の省エネ事業では、高効率給湯器の普及とあわせて安全性や適切な維持管理の重要性も示されており、設備を長く使うためには日常の使い方が欠かせません。
残り湯を何日も放置した状態で追い焚きを繰り返すことは避け、定期的に浴槽や循環口を清掃するなど、基本的な手入れを心掛けることが大切です。
| 項目 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 生活リズム | 入浴時間ばらばらでも同じ湯船 | 入浴順次第で追い焚き回数増加 |
| 光熱費 | お湯張り回数を減らし節約しやすい | 長時間保温や連続追い焚きで負担増 |
| 設備負担 | 適切利用で安定した入浴環境 | 配管汚れ放置で給湯器負担増加 |
初めて賃貸物件を借りる人が知っておきたい使い方と注意点
追い焚き機能付きの給湯器は、浴槽内のぬるくなったお湯を循環させて温め直す仕組みのため、基本的な操作を正しく理解しておくことが大切です。
多くの機種では、浴槽の湯量を循環口より上までためてから追い焚きボタンを押し、設定温度になるまで自動で加熱します。
また、機種によっては自動保温や高温差し湯など似た機能があるため、入居時に必ず取扱説明書や浴室のリモコン表示を確認しておくと安心です。
さらに、安全のために「浴槽が空の時は追い焚きしない」「異常な音やにおいを感じたら使用を中止する」といった基本も意識しておくと良いです。
追い焚き機能を使う際は、給湯器や配管への負担を減らすための注意点も押さえておく必要があります。
東京ガスなどが案内しているように、浴槽の水位が循環口より下がった状態で追い焚きを行うと、機器の故障や思わぬトラブルにつながるおそれがあります。
また、長時間連続で追い焚き運転を続けると、機器内部の部品が高温にさらされる時間が長くなり、結果として寿命を縮める要因になるとされているため、必要以上に何度も繰り返さないことが望ましいです。
さらに、排気の逆流や換気不足による事故を防ぐため、追い焚き運転中は換気設備の扱いを含め、機器メーカーやガス事業者が示す安全上の注意を守ることが重要です。
入浴剤や洗濯用の残り湯を利用する場合は、追い焚き配管への影響を考えた使い方を心掛けることがポイントです。
大手給湯器メーカー各社は、成分によっては配管や熱交換器を傷める可能性があるとして、一部の入浴剤について追い焚きとの併用を控えるよう注意喚起しており、「追い焚き対応」や「風呂釜を傷めない」と明記された中性タイプの入浴剤を推奨しています。
また、浴槽の残り湯を洗濯に使う前提で長時間放置すると、追い焚き配管内に皮脂汚れや雑菌がたまりやすくなるため、定期的に配管洗浄剤を使用するなど、機種に合ったメンテナンスを行うことが望ましいです。
そのうえで、追い焚き運転の前には髪の毛や大きなゴミを取り除き、循環口のフィルターを清潔に保つことで、給湯器の負担軽減と快適な入浴の両方につながります。
| 場面 | 確認したいポイント | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 初めて追い焚きを使う時 | 湯量と設定温度の確認 | 循環口より上まで給湯 |
| 入浴剤を使用する時 | 入浴剤と機種の相性 | 非対応成分は使用禁止 |
| 残り湯を長時間使う時 | 配管の汚れと雑菌 | 定期的な配管洗浄実施 |
賃貸物件選びで追い焚き給湯が向いている人・いない人
まず、追い焚き給湯が向いている人かどうかは、世帯人数や生活リズムによって大きく変わります。
一人暮らしで帰宅時間や入浴時間がほぼ一定の人は、湯はりを毎回し直してもお湯が冷めにくく、追い焚き機能の出番が少ない場合があります。
一方で、共働き世帯や子どものいるファミリーでは、入浴時間がバラバラになりやすく、一度ためたお湯を温め直せる追い焚きが重宝しやすいです。
このように、自分の入浴パターンを具体的に思い浮かべながら必要性を判断することが大切です。
次に、築年数や設備条件も追い焚き給湯付き賃貸を検討する際の重要な視点です。
近年は、省エネ性の高い高効率給湯器や小型の省エネ型給湯器が普及し、追い焚き機能の有無で補助制度上の区分がされているものも見られます。
一般的に、新しい設備ほど省エネ性能や安全機能が充実しているため、追い焚き付きであっても光熱費を抑えやすい傾向があります。
そのため、築年数だけで判断するのではなく、給湯器の種類や性能、追い焚き機能の有無を総合的に確認することが重要です。
内見時には、追い焚き給湯の有無だけでなく、実際の使い勝手を具体的に確認することが大切です。
たとえば、浴室の壁や給湯器リモコンに「追い焚き」や「ふろ自動」といった表記があるか、ボタン配置が分かりやすいかをチェックします。
あわせて、管理会社や貸主に、追い焚き運転時の注意点や、ガス代・電気代がどの程度変わる可能性があるかを質問すると安心です。
都市ガス・プロパンガスの違いによっても追い焚き1回あたりのガス代の目安が異なるため、概算でも聞いておくと家計管理の参考になります。
| ライフスタイル | 追い焚き給湯が向く理由 | 検討時の注意点 |
|---|---|---|
| 一人暮らし | 入浴時間一定なら必要性低め | 設備より家賃や立地重視 |
| 共働き世帯 | 帰宅時間差でも同じ湯が使える | 光熱費と省エネ性能の確認 |
| ファミリー世帯 | 入浴時間ばらつきに柔軟対応 | 追い焚き頻度とガス代の目安 |
まとめ
賃貸物件の「追い焚き給湯」とは、お風呂のお湯を温め直せる便利な設備で、家族の生活リズムが違っても快適に入浴できるのが大きな魅力です。
一方で、使い方次第ではガス代や電気代が高くなる場合もあるため、適切な温度設定やこまめなスイッチのオンオフが大切です。
入浴剤の種類や残り湯の扱いなど、給湯器に負担をかけないポイントを知っておくことで、安心して長く使えます。
これから賃貸物件を探し始める方は、内見時に追い焚き機能の有無や操作パネルの位置などを一緒に確認してみてください。
当社では、追い焚き給湯のメリットや注意点も丁寧にご説明しますので、気になることがあればお気軽にお問い合わせください。










